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同窓生インタビュー

卒業後、地元富山県へ戻り「丸龍庵」の専務取締役として活躍する
人文学部出身の木村圭さんにお話を伺いました。

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初代の教えを守り、職人を大切にしながら、丸龍庵の味をこれからも守り続けたい。人文学部 人文学科 3期生(2006年卒) 有限会社 丸龍庵 専務取締役 木村 圭

「生まれたときから跡継ぎと決めていた」と言われた将来

卒業後は地元の富山県射水市に戻り、富山名物「鱒寿司」をはじめとする押寿司を製造販売する丸龍庵(がんりゅうあん)に入社。現在は専務取締役として営業から製造、事務、商品企画など幅広く担当し、会社の運営を担っています。

初代社長は父です。父は社長として現役ですが実務はほとんど一任されています。私は男4人兄弟の3男でしたが、「生まれたときから跡継ぎと決めていた」と父が断言するほど、私に対する後継者としての期待が大きく、大学受験で名古屋に出るときは必ず富山に戻ることが条件でした。

「家業を継ぐ」ということを考えると経営学部を選ぶ道もありましたが、人文学部が2000年に開設された新しい学部であったこと、人と人とのコミュニケーションを探求する学部であることに興味を持ち、人文学部の3期生として東海学園大学に入学。人間の心理やコミュニケーション能力を学ぶことが、経営者としての将来に役立つと考えました。

人と人とのつながりを通して学んだこと

私が入学した当初は、東海学園女子短期大学を改組し、人文学部を開設するなど東海学園大学が新しく変わろうとしていた時代でした。基盤づくりに取り組んでいこうという活気に満ち、先生やサークルの先輩ともよく語り合いました。東海学園大学が「共生(ともいき)」の理念に立った「人間教育」に力を入れている大学だということを肌で感じましたね。本音でのぶつかり合いを通して、大人とのつきあい方、先輩に対する立ち居振る舞いなど、実践的に身につけられたことは今の自分にとって何よりの宝となっています。

学生時代は、学科が同じ9人の男子でいつも一緒にいました。みんなでフットサルをしたり、軟式野球部にも所属していたので東海リーグに参戦し、準優勝したこともありました。珍しいことに9人全員出身の県が違って、県外に人脈を広げられたことも東海学園大学を選んで良かったことの一つです。今でも年に1回ほど集まって近況を報告し合っています。

おいしいと喜んでくださるお客様のために

実は、鱒寿司を製造販売する企業は富山に40社以上あって、お互いに切磋琢磨しています。当社で製造する鱒寿司には、全国のスーパーで販売する「日配用」と、百貨店や道の駅などで販売する「贈答用」があるのですが、その中で特に「贈答用」は人気の定番商品となり、おかげさまで「この味じゃないと」と通の方からも愛される商品に育てあげることができました。
以前、7日間の催事を行ったときには、初日に買いに来てくださったお客様が3日目くらいに「また食べたいから」と再びご来店くださったときはうれしかったですね。
当社の「贈答用」の特徴は、地方発送で県外にもお届けするため、翌日、翌々日もおいしく食べられるように開発したバランスの良い味です。レシピはもちろん企業秘密。

そして、なんと言っても、職人さんたちの手作業で作られていることが最大のポイントです。オートメーションで大量生産する企業もある中で、当社では鱒寿司を包む笹の葉は一枚一枚、フタを開けたときに美しく見えるように手作業で折り込んで、丁寧に仕上げます。鱒の加工も手作業で、鱒の身が重ならないように円盤状に仕上げることで、しっとりと均一な味を保つように工夫しています。70歳を過ぎた職人さんたちと私は、まるでおばあちゃんと孫のような関係。今までの感謝を込めて、これからもがんばってねと背中をさすることもありますよ(笑)。

「自分より人を優先すること」。それが初代の教えの一つです。「自分の都合ではなく、人の都合を優先して仕事をするようにすれば人の信頼は後からついてくる」と入社当初から繰り返し言われました。初代の教えを守り、職人さんたちを大切にしながら、お客様に愛される味をこれから先も守り続けていきたいと思っています。

有限会社丸龍庵(がんりゅうあん)

有限会社丸龍庵(がんりゅうあん)
住所:富山県射水市善光寺33-9
TEL:0766-84-3460
FAX:0766-84-3573
URL:https://ganryuan.co.jp/
※このページの情報は2016年4月22日現在の情報です